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局所排気装置が設置できない現場の有機溶剤対策

監修:大滝良彦(VOC空気清浄機事業部 セールスエンジニア) 更新

ダクトを通せない、建物が賃貸、生産ラインが動く。固定式の局所排気装置が置けない現場でも、工事不要の発散防止抑制装置で有機則対策ができます。

発散防止抑制措置の特例実施許可(大阪労働局天満署 令和4年度第1号) / 累計160台の導入実績 / 労働基準監督署に局所排気装置として認められた事例あり

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発散防止抑制装置は、ダクトも屋外排気口も持たず、発生源のそばで有機溶剤の蒸気を吸引し、活性炭とHEPAフィルターで処理する装置です。工事がいらないため、賃貸物件や配置の変わる生産ラインでも導入できます。所轄の労働基準監督署の特例実施許可を受ければ、局所排気装置に代わる措置として設置できます。

日本全国に販売しています。大阪・天満の本社から、機種の選定と特例実施許可の進め方までご案内します。

工場のラインに置かれた発散防止抑制装置 BAシリーズ。ダクトのない自立型の装置
ダクトも屋外排気口も持たない装置。発生源のそばに置いて、有機溶剤を含む空気を吸引・処理します。

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「局所排気装置が置けない」5つの理由

固定式の局所排気装置は、フード・ダクト・排風機・屋外排気口を建物に組み込む設備です。次のような現場では、設置そのものが難しくなります。

  1. 建物が賃貸:壁の貫通や屋根への排気口設置に、貸主の許可が下りない。原状回復の負担も大きい。
  2. 天井が高い・床面積が広い:発生源全体を囲うフードや長い主ダクトが現実的でない。
  3. 生産ラインが動く:レイアウト変更のたびに配管をやり直すことになり、固定式では追随できない。
  4. 屋外に排気できない:近隣への配慮や、屋根・外壁に排気口を出せない構造上の制約がある。
  5. 常設設備を置くスペースがない:既存設備が密集していて、ダクトを通す経路が取れない。

こうした現場でも、有機溶剤を扱う作業には有機溶剤中毒予防規則(有機則)で対策が義務づけられています。放置すると、作業環境測定で第三管理区分になったり、労働基準監督署の指導対象になったりします。

固定式の局所排気装置との違い(比較表)

厚生労働省は2012年(発基安0327第1号)に、一定の要件を満たす発散防止抑制装置を局所排気装置の代わりに使えるようにしました。両者の違いを整理します。

項目固定式の局所排気装置発散防止抑制装置(BAシリーズ)
設置工事フード・ダクト・排風機・屋外排気口を建物に施工工事不要。コンセントに挿してホースをつなぐだけ
屋外への排気必須不要。内蔵の活性炭・HEPAフィルターで処理して排気
移設配管のやり直しが必要本体を動かすだけ。ラインの変更に追随できる
電源動力電源が必要な機種が多い100V(200Vも可)
法的な位置づけ有機則が定める原則の設備所轄の労働基準監督署の特例実施許可を得て代替措置とする
ランニングコスト定期自主検査・ダクト清掃・電力フィルター交換のみ。使用済み活性炭は無償で回収・リサイクル

発散防止抑制装置の制度の詳細は、厚生労働省「化学物質による労働災害防止のための取組」を参照してください。

対策の進め方(4ステップ)

  1. 局所排気装置・プッシュプル型換気装置が本当に設置できないかを確認する:設置できるなら、それが原則です。設置後は1年以内ごとに1回の定期自主検査が必要です。
  2. 設置が困難な場合、発散防止抑制装置を検討する:仕組みと局所排気装置との違いは発散防止抑制装置とは(局所排気に代わる特例措置)で解説しています。
  3. 特例実施許可を申請する:設置場所を管轄する労働基準監督署に、装置の性能資料を添えて申請します。設置場所ごとの許可です。書類作成の進め方は発散防止抑制装置 特例実施許可の申請サポートをご覧ください。
  4. 導入後、作業環境測定で効果を確認する:対象物質の種類・使用量、フィルターの交換・点検、設置位置が効果を左右します。

「まず自分の現場の溶剤濃度を測りたい」というご相談も多くいただきます。デモ機を1週間お貸しし、実際の作業場で測定してから判断いただけます。デモ機貸出(1週間お試し)もあわせてご検討ください。

工程別の対策例

有機溶剤を扱う工程は業種によってさまざまですが、対策の考え方は共通です。

工程よく使う溶剤の例対策のポイント
塗装・コーティングトルエン、キシレン、エチルベンゼン、酢酸エチルスプレーやハケ塗りの位置に合わせて吸引口を近づける。ミストの飛散も同時に抑える。
接着酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン塗布・圧着の作業台ごとに吸引。少量でも揮発が続くため、作業後もしばらく運転する。
洗浄・脱脂IPA、アセトン、MEK拭き取り・浸漬の容器付近から吸引。アセトンなど空気より重い蒸気は低い位置に溜まりやすい。
電子部品の試験・組立IPA、エタノール、MEKはんだ付けや部品洗浄の作業台単位で吸引。クリーンルーム内での導入実績あり。
インクジェット印刷(IJP)MEK、酢酸エチル印刷ヘッドや洗浄ドック付近から吸引。当社の最も多い導入工程で、測定データがあります。

特定化学物質(特化則の対象物質)は当社装置の対応外です。対策したい溶剤名をお知らせいただければ、可否をご案内します。

測定データのある事例

お客様名は原則として公開していません(販売代理店経由・機密保持のため)。測定値のある事例を紹介します。

  1. 塗装作業場(エチルベンゼン):現地の労働基準監督署の立会い測定により、BA400Tが局所排気装置として認められました。発生源5cmで捕捉風速0.7m/s(横向き吸引の目安は0.5m/s)、外部排気口は約30秒で0ppmに安定(2024年7月)。
  2. インクジェット印刷ドック(MEK):日用品メーカーの印刷ドックで、付近の濃度400〜500ppmが、BA500Tのホースを近づけると排気口・ドックともに0ppmで安定しました(2024年7月・新コスモス電機 XP-3160 で測定)。
  3. 電子部品メーカーの試験(IPA):試験工程で、BA500Tの活性炭が炭重量の約35%(およそ4,650g)を吸着してから破過に至りました(2025年3月)。フィルター交換の目安の把握に使われています。
精密機械組立の作業場に設置された発散防止抑制装置
自動車・医薬品・化粧品・電子部品などの製造業や研究機関で、2021年から累計160台以上の導入実績があります。

当社の対応範囲と、対応できないこと

当社の「Belicleen Air」シリーズは、有機溶剤(VOC)を発生源の近くで吸引し、活性炭とHEPAフィルターで吸着してクリーンな空気にして排気します。コンセントに挿してホースをつなぐだけで使え、ダクト工事はいりません(電源は100V)。有機溶剤の濃度を常時監視するVOCセンサーは自社で開発しています。

対応できること

  1. 工事不要:壁貫通・配管・屋外排気の確保がいらず、賃貸物件でも導入できます。
  2. 移動できる:本体単体で機能するため、生産ラインの変更に合わせて設置場所を変えられます。
  3. ランニングコストはフィルター交換のみ:使用済みの活性炭フィルターは無償で回収・リサイクルします。予算に応じて5年リースもご提案できます。
  4. 申請サポート:装置の性能資料の提供と、特例実施許可の申請書類の作成をサポートします。

対応できないこと

  1. 特化則(特定化学物質)に該当する物質。当社の装置は有機則対策向けです。
  2. 防爆構造が必要な環境。
  3. 広い部屋全体の脱臭。発生源の近くで使う装置です。
工場内の局所排気装置の全体図。フード、主ダクト、空気清浄装置、ファン、屋外の排気口の位置関係を示した断面イラスト
局所排気装置はフードからダクト・ファンを経て屋外へ排気します。発散防止抑制装置はこのダクトと屋外排気口を持ちません。

どの機種が合うか(BAシリーズの目安)

現場の規模と、発散防止抑制措置の特例実施許可を取るかどうかで、見るべき機種が変わります。下は目安です。各機種の詳しい仕様は製品ラインナップで比較できます。

機種向く現場・用途発散防止抑制措置の特例実施許可
BA500S / BA500T生産ライン・大規模。有機則対策の中心機種対応(大阪労働局天満署 令和4年度第1号の実績あり)
BA400S / BA400T生産ライン・中〜大規模。導入事例が最も多い局所排気装置としての運用実績あり。許可の要否は現場ごとにご相談
BA100小規模・はんだ付け・単一の作業台の臭気対策対応機種ではありません(臭気・健康被害の低減向け)
BA800Lレーザーマーカーの粉じん・ヒューム対策対応機種ではありません
BA900PVCVOCに加えてポリ塩化ビニール(PVC)ガスが出る現場現場条件によりご相談

対策したい溶剤・工程・設置スペースをお知らせいただければ、機種と特例実施許可の要否をあわせてご案内します。

よくある質問

建物が賃貸で、ダクト工事の許可が下りません。対策できますか?

できます。発散防止抑制装置はダクトも屋外排気口も持たないため、壁の貫通や配管工事がいりません。原状回復の心配もなく、賃貸物件でも導入できます。「建物が賃貸なのでダクト工事は避けたい」というご相談は、この装置でいちばん多いパターンです。

生産ラインの配置がよく変わります。設置場所を動かせますか?

動かせます。装置は本体単体で機能するので、ラインの変更に合わせて置き場所を変えられます。固定式の局所排気装置のように、レイアウトを変えるたびに配管をやり直す必要はありません。

エタノール、IPA、MEKは処理できますか?

有機溶剤中毒予防規則(有機則)の対象になる有機溶剤は、活性炭フィルターで吸着します。トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エチル、MEK、IPAなどが対象です。特定化学物質障害予防規則(特化則)に該当する物質には対応していません。対策したい溶剤名をお知らせいただければ、可否と機種をご案内します。

特例実施許可の申請が不安です。手伝ってもらえますか?

はい。装置の性能資料の提供と、申請書類の作成をサポートします。申請先は設置場所を管轄する労働基準監督署で、許可は設置場所ごとに必要です。進め方は「発散防止抑制装置 特例実施許可の申請サポート」で説明しています。

思ったより高額でした。予算が厳しい場合の方法はありますか?

ダクト工事や屋外排気の確保がいらないぶん、初期費用は固定式の局所排気装置より抑えられます。ランニングコストはフィルター交換のみです。それでも予算が合わない場合は、5年リースでのご提案も可能です。まず対策したい内容をお知らせください。

全国に対応していますか?

日本全国に販売しています。大阪・天満の本社から、機種の選定と特例実施許可の進め方までご案内します。デモ機の貸出と有償の設置対応は国内のみです。

この対策について相談する

対策したい溶剤や作業内容、局所排気装置の設置可否、建物が賃貸かどうかなど、現場の状況をお知らせください。担当エンジニアが最適な機種と、特例実施許可の進め方をご案内します。1営業日以内にご返信します。* は必須です。

プライバシーポリシーをご確認のうえ、同意いただける場合はチェックして送信してください。

監修:大滝良彦

VOC空気清浄機事業部 セールスエンジニア。装置の選定から労働基準監督署への対応・特例実施許可の申請まで、現場ごとの相談に応じています。

お問い合わせ:y.otaki@belica.co.jp 会社概要はこちら。

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