製品・サービス / 局所排気装置が設置できない現場の対策
製品・サービス · 全国対応局所排気装置が設置できない現場の有機溶剤対策
監修:大滝良彦(VOC空気清浄機事業部 セールスエンジニア) 更新

ダクトを通すスペースがない、建物が賃貸、天井が高い、生産ラインが動く――固定式の局所排気装置が置けない現場でも、有機溶剤を扱う作業には有機則対策が必要です。工事不要の発散防止抑制装置を導入し、要件を満たして所轄の労働基準監督署の特例実施許可を得れば、局所排気装置の代替措置として使えます。
当社(ベリクリーンエア)の「Belicleen Air」シリーズは、「発散防止抑制措置」の特例実施許可を取得しています(許可番号:大阪労働局天満署 令和4年度第1号/名義:株式会社ベリカ)。2021年から販売し、累計160台以上を納入。2024年7月には、福井県の塗装作業場で当社のBA400Tが敦賀労働基準監督署に局所排気装置として認められた実績があります。
局所排気装置が設置できない主なケース
固定式の局所排気装置は、フード・ダクト・排風機・屋外排気口を建物に組み込む設備です。次のような現場では、設置そのものが難しくなります。
- 建物が賃貸:壁の貫通や屋根への排気口設置に、貸主の許可が下りない。原状回復の負担も大きい。
- 天井が高い・床面積が広い:発生源全体を囲うフードや長い主ダクトが現実的でない。
- 生産ラインが動く:レイアウト変更のたびに配管をやり直すことになり、固定式では追随できない。
- 屋外に排気できない:近隣への排気の配慮、屋根や外壁に排気口を出せない構造上の制約がある。
- 常設設備を置くスペースがない:既存の設備が密集していて、ダクトを通す経路が取れない。
これらの現場でも、有機溶剤を扱う作業には有機則で対策が義務づけられています。局所排気装置を設置しないまま放置すると、作業環境測定で第三管理区分となったり、労働基準監督署の指導対象になったりします。
対策の進め方
局所排気装置が置けない現場では、次の順で検討します。
- 局所排気装置・プッシュプル型換気装置が本当に設置できないかを確認する:設置できるなら、それが原則です。設置後は1年以内ごとに1回の定期自主検査が必要です。
- 設置が困難な場合、発散防止抑制措置を検討する:ダクトを持たず、内蔵フィルターで有機溶剤を吸着・処理する装置です。仕組みと局所排気装置との違いは発散防止抑制装置とは(局所排気に代わる特例措置)で解説しています。
- 特例実施許可を申請する:設置場所を管轄する労働基準監督署に、装置の性能資料を添えて申請します。設置場所ごとの許可です。書類作成の進め方は発散防止抑制装置 特例実施許可の申請サポートをご覧ください。
- 導入後、作業環境測定で効果を確認する:対象物質の種類・使用量、フィルターの交換・点検、設置位置が効果を左右します。
「まず自分の現場の溶剤濃度を測りたい」というご相談も多くいただきます。デモ機を1週間お貸しし、実際の作業場で測定してから判断いただけます。デモ機貸出(1週間お試し)もあわせてご検討ください。
工程別の対策例
有機溶剤を扱う工程は業種によってさまざまですが、対策の考え方は共通です。よくある工程と、対策のポイントを整理します。
| 工程 | よく使う溶剤の例 | 対策のポイント |
|---|---|---|
| 塗装・コーティング | トルエン、キシレン、エチルベンゼン、酢酸エチル | スプレーやハケ塗りの位置に合わせて吸引口を近づける。ミストの飛散も同時に抑える。 |
| 接着 | 酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン | 塗布・圧着の作業台ごとに吸引。少量でも揮発が続くため作業後もしばらく運転する。 |
| 洗浄・脱脂 | IPA、アセトン、MEK | 拭き取り・浸漬の容器付近から吸引。アセトンなど空気より重い蒸気は低い位置に溜まりやすい。 |
| 電子部品の試験・組立 | IPA、エタノール、MEK | はんだ付けや部品洗浄の作業台単位で吸引。クリーンルーム内での導入実績あり。 |
| インクジェット印刷(IJP) | MEK、酢酸エチル | 印刷ヘッドや洗浄ドック付近から吸引。当社の最も多い導入工程で、測定データがあります。 |
特定化学物質(特化則の対象物質)は当社装置の対応外です。対策したい溶剤名をお知らせいただければ、可否をご案内します。
当社の対応範囲
当社の「Belicleen Air」シリーズは、局所排気装置の代わりに置ける「発散防止抑制措置」の装置として、大阪労働局天満署の特例実施許可を取得しています。有機溶剤(VOC)を発生源の近くで吸引し、活性炭とHEPAフィルターで吸着してクリーンな空気にして排気します。コンセントに挿してホースをつなぐだけで使え、ダクト工事はいりません(電源は100V)。
- 工事不要:壁貫通・配管・屋外排気の確保がいらず、賃貸物件でも導入できます。
- 移動できる:本体単体で機能するため、生産ラインの変更に合わせて設置場所を変えられます。
- ランニングコストはフィルター交換のみ:使用済みの活性炭フィルターは無償で回収・リサイクルします。予算に応じて5年リースもご提案できます。
- 申請サポート:装置の性能資料の提供と、特例実施許可の申請書類の作成をサポートします。
当社の装置は有機則対策向けです。特化則(特定化学物質)に該当する物質、防爆構造が必要な環境には対応していません。機種は設置スペースと処理風量に合わせて選びます。用途と現場の状況を踏まえてご提案しますので、製品ラインナップとあわせてご相談ください。

測定データのある導入事例
お客様名は原則として公開していません(販売代理店経由・機密保持のため)。測定値のある事例を紹介します。
- 塗装作業場(エチルベンゼン):福井県の塗装工程で、労働基準監督署の立会い測定により、BA400Tが局所排気装置として認められました(2024年7月)。
- インクジェット印刷ドック(MEK):日用品メーカーの印刷ドックで、付近の濃度400〜500ppmが、BA500Tの設置後0ppmで安定しました(2024年7月)。
- 電子部品メーカーの試験(IPA):試験工程で、BA500Tの活性炭が約4,650gを吸着してから破過に至りました(2025年3月)。フィルター交換の目安の把握に使われています。

よくある質問
建物が賃貸で、ダクト工事の許可が下りません。対策できますか?
はい。発散防止抑制装置はダクトも屋外排気口も持たないため、壁の貫通や配管工事がいりません。原状回復の心配がなく、賃貸物件でも導入できます。実際に「建物が賃貸物件のためダクト工事は避けたい」というご相談が多い装置です。
生産ラインの配置がよく変わります。設置場所を動かせますか?
動かせます。装置は本体単体で機能するため、ラインの変更に合わせて設置場所を変えられます。固定式の局所排気装置のように、レイアウト変更のたびに配管をやり直す必要はありません。
エタノール、IPA、MEKは処理できますか?
有機溶剤中毒予防規則(有機則)の対象となる有機溶剤は、活性炭フィルターで吸着します。トルエン、キシレン、アセトン、酢酸エチル、MEK、IPAなどが対象です。特定化学物質障害予防規則(特化則)に該当する物質には対応していません。対策したい溶剤名をお知らせいただければ、可否と機種をご案内します。
特例実施許可の申請が不安です。手伝ってもらえますか?
はい。装置の性能資料の提供と、申請書類の作成をサポートします。申請先は設置場所を管轄する労働基準監督署で、設置場所ごとの許可です。詳しくは「発散防止抑制装置 特例実施許可の申請サポート」をご覧ください。
思ったより高額でした。予算が厳しい場合の方法はありますか?
ダクト工事や屋外排気の確保がいらないため、初期費用は固定式の局所排気装置より抑えられます。ランニングコストはフィルター交換のみです。それでも予算が合わない場合は、5年リースでのご提案も可能です。まずは対策したい内容をお知らせください。
この対策について相談する
対策したい溶剤や作業内容、局所排気装置の設置可否、建物が賃貸かどうかなど、現場の状況をお知らせください。担当の大滝が最適な機種と、特例実施許可の進め方をご案内します。* は必須です。
VOC空気清浄機事業部 セールスエンジニア。装置の選定から労働基準監督署への対応・特例実施許可の申請まで、現場ごとの相談に応じています。
お問い合わせ:y.otaki@belica.co.jp