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解説 · 約7分シンナーの臭いを防ぐ5つの対策
監修:大滝良彦(VOC空気清浄機事業部 セールスエンジニア) 公開

シンナー特有の鼻を突く臭いには、頭痛・吐き気・めまいといった健康被害のリスクがあります。対策の基本は、換気の徹底、有機溶剤対応の防毒マスクの着用、低臭タイプの製品選び、必要に応じた専門業者への依頼、そしてダクト工事が難しい現場での発散防止抑制装置の導入です。
シンナーの臭いが人体に与える影響
シンナーに含まれる有機溶剤は揮発性が高く、呼吸を通じて体内に取り込まれます。健康を守るには、影響を正しく理解したうえで対策することが大切です。
起こりうる症状
揮発した有機溶剤の成分を吸い込むと、中枢神経系に影響します。具体的には、目の奥が痛むような頭痛、吐き気、立ちくらみ・めまい、咳、鼻詰まり、涙や充血などです。高濃度の環境に長時間いると、記憶力の低下や肝臓・腎臓への負担、重症化すると意識障害の危険もあります。異変を感じたら、すぐに新鮮な空気の場所へ移動し、換気を徹底してください。
長期間の曝露と慢性症状
低濃度でも日常的に吸い込み続けると、記憶力・集中力の低下、睡眠障害、手足のしびれ、肝機能・腎機能障害など「慢性中毒」につながるおそれがあります。異変を感じる前に、換気や排気設備で曝露量を最小限に抑えることが重要です。
臭いを防ぐ5つの対策
- 換気を徹底する:対角線上の2か所以上を開けて空気の入口と出口をつくります。窓が1か所しかない場合は扇風機や換気扇を使います。目安は30分以上、作業後もしばらく続けると壁や床への臭いの定着を防げます。
- マスク・保護具を着用する:一般的な不織布マスクでは有機溶剤の蒸気を防げません。有機ガス用カートリッジを装着した、有機溶剤対応の防毒マスクを使い、顔にしっかりフィットさせます。
- 臭いの少ない製品を選ぶ:低VOC塗料やノンシンナータイプの接着剤、水性塗料など、刺激臭を抑えた製品への切り替えも有効です。
- 消臭を専門業者に依頼する:大規模な塗装後や、建材の奥まで臭いが染み込んだ場合は、業務用のオゾン脱臭機や消臭薬剤を使う専門業者に相談します。
- 発散防止抑制装置を導入する:窓の設置やダクト工事が難しい作業場での選択肢です。有機溶剤を活性炭フィルターで吸着して濃度を下げる装置で、2012年の改正省令により、局所排気装置が設置困難な環境での代替措置として認められています。
赤ちゃん・ペット・高齢者がいる場合
シンナーの臭いによる影響は、同居する家族の年齢や体質によって異なります。
- 赤ちゃん:呼吸器や代謝機能が未熟で、有害物質を分解・排出する力が弱いため、塗装面に近い部屋を避け、必要なら一時的な避難も検討します。
- ペット:嗅覚が鋭く、食欲不振や嘔吐などの体調不良につながることがあるため、ケージや寝床を塗装面から遠ざけます。
- 高齢者・化学物質過敏症の方:頭痛や血圧変動、発作のリスクがあるため、空気の澄んだ場所で過ごす、かかりつけ医に事前に相談するといった配慮が必要です。
発生させる前の予防策
シンナーの臭いは、発生してから消すより「発生させない・漏らさない」ほうが効果的です。低臭・低VOCの製品を選び、必要最小限の量だけを小分けにして扱うと揮発量を抑えられます。容器は開けっぱなしにせず、密閉できる保管箱や耐溶剤性のフタ付き容器を使い、発生源の近くで局所排気や換気動線を確保して、臭いが生活空間へ流れ込まないよう作業場所を分けましょう。
よくある質問
シンナーの臭いはいつ消えますか?
一般的には作業終了後、1日〜1週間ほど残ることがあります。使用した塗料の種類や天候、換気の状況によって差があり、油性塗料やVOC含有量が多い製品ほど時間がかかる傾向があります。完全に臭いが消えるまでは、こまめな換気を続けてください。
シンナーの臭いは有害ですか?
はい。吸い込むと頭痛・吐き気・めまいなどの急性症状を起こすことがあり、長期間の曝露は中枢神経や内臓への健康被害につながるリスクもあります。臭いを感じたら、体が発しているサインと捉え、換気や避難を行ってください。
効率的な換気の方法は?
窓を2か所以上開けて空気の入口と出口をつくり、扇風機やサーキュレーターを窓の外に向けて設置すると、室内の空気を効率よく吸い出せます。窓や換気扇がない場合は、ドアを開けたままにしておきましょう。
ダクト工事が難しい作業現場のご相談
この記事の対策は主に住宅・DIYの現場向けです。工場や塗装業者など、業務でシンナーなどの有機溶剤を扱う現場でダクト工事が難しい場合は、工事不要で発生源の近くに置ける当社の脱臭・集塵装置をご検討ください(家庭用の消臭機器ではなく、業務用の設備です)。有機則対策と作業環境の改善に、累計160台の実績があります。
VOC空気清浄機事業部 セールスエンジニア。有機溶剤・VOC対策の技術担当として、装置の選定から労働基準監督署への対応まで、現場ごとの相談に応じています。
お問い合わせ:y.otaki@belica.co.jp