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解説 · 約6分有機溶剤の特殊健康診断(有機溶剤健診)とは
監修:大滝良彦(VOC空気清浄機事業部 セールスエンジニア) 公開

有機溶剤健診は、有機溶剤の対象業務に常時従事する労働者に対して、雇入れ時・配置替え時・その後6か月以内ごとに1回行う特殊健康診断です。問診に加え、尿中代謝物の検査など、扱う溶剤ごとに定められた項目を実施します。個人票は5年間保存し、有所見者には医師の意見に基づく措置を講じます。
この記事は有機溶剤中毒予防規則(有機則)をわかりやすく解説のうち、健診を掘り下げたものです。健診で有所見が出るということは、作業環境の管理が十分でない可能性を示します。
対象者と頻度
- 対象者:屋内作業場等で、第1種・第2種の有機溶剤の対象業務に常時従事する労働者。臨時作業や短時間作業は除かれる場合があります。
- 頻度:雇入れ時、当該業務への配置替え時、その後は6か月以内ごとに1回。
- 費用:事業者が負担します。健診の時間は労働時間として扱うのが望ましいとされています。
検査項目
すべての対象者に行う項目と、扱う溶剤に応じて行う項目があります。
- 業務歴・作業条件の調査:扱う溶剤、作業時間、保護具の使用状況など。
- 自覚症状・他覚症状の有無の検査:頭痛、めまい、けん怠感、貧血、肝機能の症状など。
- 尿中代謝物などの検査:溶剤ごとに指標が定められています(トルエン=馬尿酸、キシレン=メチル馬尿酸、MEK=尿中MEK、ノルマルヘキサン=2,5-ヘキサンジオン など)。
- 貧血検査・肝機能検査・腎機能検査など:溶剤の種類や医師の判断に応じて実施します。
結果への対応
健診の結果は、遅滞なく本人に通知します。有所見者については、医師の意見を聴き、必要に応じて次の措置を講じます。
- 就業場所の変更、作業の転換、作業時間の短縮。
- 作業環境測定の実施、その結果に基づく施設・設備の改善。
- 保護具の使用の徹底。
有所見や、作業環境測定の第三管理区分が続く場合は、発生源対策の見直しが必要です。局所排気装置を設置できない現場では、工事不要の発散防止抑制装置が選択肢になります。当社の装置は有機則対策向けで、特化則の対象物質には対応していません。局所排気装置が設置できない現場の有機溶剤対策とデモ機貸出をご覧ください。
よくある質問
有機溶剤健診は一般健診とは別ですか?
別です。一般健康診断(定期健診)は労働者全員が対象ですが、有機溶剤健診は有機溶剤の対象業務に常時従事する労働者だけが対象で、尿中代謝物の検査など有機溶剤に特化した項目を含みます。
尿中代謝物とは何を測りますか?
体内に取り込まれた有機溶剤が代謝されてできる物質を尿から測ります。トルエンなら馬尿酸、キシレンならメチル馬尿酸、MEKなら尿中のMEKそのものなど、溶剤ごとに指標が定められています。
記録はどのくらい保存しますか?
有機溶剤健診の個人票は5年間保存します。
有所見者が出たらどうしますか?
医師の意見を聴き、必要に応じて就業場所の変更、作業時間の短縮、作業環境測定の実施、施設・設備の改善などの措置を講じます。作業環境そのものの見直しが必要なことも多いです。
VOC空気清浄機事業部 セールスエンジニア。有機溶剤・VOC対策の技術担当として、装置の選定から労働基準監督署への対応まで、現場ごとの相談に応じています。
お問い合わせ:y.otaki@belica.co.jp