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解説 · 約7分

局所排気装置のフードの種類(囲い式・外付け式・プッシュプル)

監修:大滝良彦(VOC空気清浄機事業部 セールスエンジニア) 公開

外付け式フードの例。スロット型・ルーバー型・グリッド型
フードの種類は、作業の位置と有害物質の飛び方で選びます。

局所排気装置のフードは、囲い式・外付け式・レシーバー式・プッシュプル型に分かれます。発生源を囲えるなら囲い式、作業者が動くなら外付け式、火花や上昇気流があるならレシーバー式、広い範囲をまとめて換気したいならプッシュプル型が向きます。囲い式ほど少ない排気量で確実に捕集でき、外付け式は自由度が高い分、吸引口の位置がずれると効きません。

この記事は局所排気装置とは(仕組み・種類・点検・届出)のうち、フードの選び方を掘り下げたものです。当社(ベリクリーンエア)の発散防止抑制装置も、フレキシブルアームの吸引口を発生源に近づけて使う、外付け式に近い考え方です。

目次
  1. 4種類の比較
  2. それぞれの仕組みと使いどころ
  3. 選び方の手順
  4. よくある質問

4種類の比較

種類仕組み向いている作業排気量の目安
囲い式(ブース型)発生源を三方以上囲い、内部で吸引作業位置が固定、飛散を抑えたい少ない
外付け式可動アームの吸引口を発生源に近づける作業者が動く、手作業が多い多い
レシーバー式有害物質の飛ぶ・昇る方向にフードを置く研削の火花、加熱の上昇気流中程度
プッシュプル型吹出しと吸引で気流をつくり導く広い範囲をまとめて換気外付け式より少ない

根拠:e-Gov 有機溶剤中毒予防規則

それぞれの仕組みと使いどころ

  1. 囲い式(ブース型):発生源を箱状のフードで囲い、開口部から空気を引き込みます。実験室のドラフトチャンバーやグローブボックスもこの仲間です。少ない排気量で確実に捕集できる代わりに、作業スペースは限られます。開口部を広げすぎると外へ漏れます。
  2. 外付け式:作業空間を覆わず、吸引口だけを発生源のそばに置きます。スロット型・ルーバー型・グリッド型などの形があり、上方・側方・下方の吸引に分かれます。自由度が高い反面、吸引口が発生源から離れると効果が急落します。
  3. レシーバー式:研削の火花や、加熱による上昇気流など、有害物質が特定の方向に動く性質を利用します。その進行方向にフードを配置して受け止めます。グラインダーカバーや炉上のキャノピー型が代表例です。
  4. プッシュプル型換気装置:一方から空気を吹き出し(プッシュ)、反対側で吸い込む(プル)ことで、間の空間に一様な気流をつくります。囲い式・外付け式より低い制御風速で広い範囲をカバーできますが、周囲の送風や人の動きで気流が乱れやすい点に注意します。

選び方の手順

  1. 発生源と作業の動きを確認する:発生源が固定か、作業者が動くか、有害物質が特定方向に飛ぶか。
  2. 囲えるかを検討する:作業に支障なく囲えるなら、囲い式が最も効率的です。
  3. 囲えないなら外付け式かプッシュプル型:手作業が多ければ外付け式、範囲が広ければプッシュプル型。
  4. 制御風速と排気量を計算する:作業・物質ごとの必要制御風速を満たす排風量を確保します。
  5. そもそも設置できるかを確認する:ダクトの経路、屋外排気口、電源。設置が難しければ、発散防止抑制装置も選択肢です。

建物が賃貸でダクト工事ができない、天井が高くてフードが現実的でない――そうした現場では、工事不要の発散防止抑制装置が選択肢になります。当社の装置は有機則対策向けで、特化則の対象物質には対応していません。局所排気装置が設置できない現場の有機溶剤対策をご覧ください。

よくある質問

制御風速とは何ですか?

有害物質を確実に捕集するために、フードの開口面または発生源で必要となる空気の速度です。囲い式は0.4m/s前後、外付け式は0.5〜1.0m/s程度が目安で、有機則・特化則などで作業や物質ごとに定められています。

全体換気装置ではだめですか?

全体換気は部屋全体の空気を入れ替える方式で、有害物質を一度作業空間に拡散させてから薄めます。発生源で捕集する局所排気に比べて作業者のばく露を下げる力は弱く、有機則・特化則の作業では原則として局所排気装置などが求められます。

外付け式フードで効果が出ないのはなぜですか?

吸引口が発生源から離れると、捕集効率が急激に落ちます(距離の2乗に反比例する目安)。作業のたびに吸引口を発生源に近づける運用と、位置を保つ固定具が重要です。

レシーバー式フードとは?

研削の火花や加熱による上昇気流など、有害物質が一定方向に飛ぶ・昇る性質を利用して、その進行方向にフードを置く方式です。グラインダーのカバーや、炉の上のキャノピー型フードが該当します。

監修:大滝良彦

VOC空気清浄機事業部 セールスエンジニア。有機溶剤・VOC対策の技術担当として、装置の選定から労働基準監督署への対応まで、現場ごとの相談に応じています。

お問い合わせ:y.otaki@belica.co.jp

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